2015年6月17日水曜日

窓の向こうのガーシュウィン 文庫版


宮下奈都さんの『窓の向こうのガーシュウィン』が文庫になり、
文庫版カバーを描き下ろした。

この文庫版にも、「小説すばる」連載時の各回の扉絵が封入されている。
そして、今回僭越ながら巻末の解説を書かせていただくことになった。

この作品は、2011年1月に連載が開始された。
連載第一回目の原稿を読んだ時、音が聞こえ、匂いが広がって
物語の中にグイと引き込まれたのを覚えている。
そしてそれらは物語の進行とともに、様々な表情をみせながら、
はっきりとした輪郭となって現れてくる。

連載時、扉絵を描く時に、その回ごとに上記のような、
つまりは気配のようなものを僕なりに掬いとって絵にしていった。
その扉絵を通して、今回『窓の向こうのガーシュウィン』の
「解説」として書かせていただいた。

ただし、これはあくまで僕の視点である。つまり、一つの側面。
それだけでは表現できない。
それほど、奥行きがあって、愛らしい作品である。

そして、今回も単行本に引き続き、名久井直子さんの素敵な装幀。
ぜひ、手に取って読んでいただきたい
本当におすすめの作品。





2015年6月6日土曜日

木の町へ 後記


京都nowakiでの展示、無事に終了しました。
足を運んでくださったみなさま、どうもありがとうございます。

今回の展示内容は新作+近年の作品、
(制作年:2011年、2013年、2014年、2015年1月、
そして2015年5月の新作)という構成になった。

2011年〜4年間の作品の移り変わりをみていると、
ある地点とある地点を行ったり来たりしているようにも感じる。

その反復運動の中で、少しずつ目につくものが変わり、
表面に現れるタッチも少しずつ変化する。
加えて、ライブペインティングや今回の立体作品のような
変則的な作品が時々生まれたりする。

個展を定期的に続けて行くというのもなかなか面白いことだ。
特に今年は「旅3部作」と題して、3つ(+1)の展示。

1月の「旅路の音楽」、5月の「木の町へ」、
そして、10月の東京で締めくくる。

というわけで、旅はまだ続くのである。



500部限定の私家本『旅路の音楽』は、
引き続きnowaki、そして恵文社一乗寺店にて取り扱っていただいてます。
東京では、吉祥寺トムズボックス西荻窪ウレシカにて取扱中。

この本は、小さな命が母親のお腹の中で辿った道程をイメージしたもの。
お腹の中で聴こえる外の世界の様々な音が音楽のようであったらいいな、
とオノマトペで綴った絵本。
手にとっていただけたら、うれしいです。



最後に、nowaki3周年、おめでとうございます!