2016年8月2日火曜日

新作絵本『ぼくはかわです』


新作絵本『ぼくはかわです』ができました。

僕(植田)は、山にかこまれていて、
いく筋かのちいさな川と1本の大きな川が流れている田舎で育った。
子どもの頃、夏になれば、だいたいどこかの川にいた。
高校にあがると、ボート部(レガッタ)に入部したので
授業が終われば、やはり川にいた。

ライブペインティングのようなやや無心状態で描いている絵には
必ずと言っていいほど、描き終えた絵の中に川がある。
地図を見れば、つい川を探してしまう。
風景の中に川があるということが、
自分にとってすごく重要なことだと近頃よく思う。

今回描いた川は、夏になるとよく行った地元のとある川がモデルだ。
水がとても冷たくてとても綺麗な川。
岩場があって、みんなそこから川に飛び込む。
川底に泳ぐ鯉が上からも見えるくらい澄んでいる。

本描きに入る前、ひさしぶりにその川を訪れてみた。
やはりとても澄んだ水と空気が流れていた。

絵本をひらくたびに、水の流れる音が聴こえるといいなと思って描いた。



「川も時もたえまなく流れ、でもいつもそこにある。
 体のなかを、きれいな空気が吹き抜けるような絵本です。」

今回、江國香織さんが、この絵本の帯に添えてくださった
言葉がとてもうれしかった。


手に取っていただけると幸いです。