2018年10月10日水曜日

個展「ぼくはきみをしらない リスへの考察」



個展のおしらせ。
西荻窪URESICAにて、リスをテーマにした新作展。


ぼくの絵のなかにはときどきリスが現われる。
過去には個展「ROTATING SQUIRREL」(cafe seemore glass / 2003)だったり、
私家本「落日と風のこと」(silentphase B)だったり、
絵や絵本の中に、ふいと現われて二言三言つぶやいていく。

ここ最近では、「時知らずの庭」(小森香折/BL出版)
「リスのたんじょうび」(トーン・テレヘン・作/野坂悦子・訳/偕成社)
そして、これから取り組もうとしていることなど。

そこには、主人公になるもの、
だれかの代弁者になるもの、ひかえめに佇むもの、
そして、風景、としてのリスがいる。

リス。 
決して、かわいらしいというだけではない。
それだけではない、なにか惹き付けられるものがある。
だからここで、リスというモチーフを
改めて描いてみようと思う。
考察してみようと思う。


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植田 真 個展
「ぼくはきみをしらない
 リスへの考察」

2018年10月25日(木)〜11月5日(月)
12時〜20時
火曜休み

東京都杉並区西荻北2-27-9
03-5382-0599

[ ライブペインティング ]
10月26日(金) 19時開演
入場料 1,500円

ライブご予約はウレシカまで
03-5382-0599またはinfo@uresica.comまで
お名前・お電話番号・人数をお知らせください

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会期中、ウレシカ1階で、
『リスのたんじょうび』(偕成社)の原画展も開催します。

さらに、
荻窪Titleでも原画を1枚飾ったコーナーを
作ってもらっています。
ぜひ、一緒にご覧ください。



2018年10月9日火曜日

装画の仕事


装画の仕事。
「ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい」
クリスティン・バーネット
永峯涼・訳
角川文庫
カバーデザイン:大原由衣


自閉症と診断されたジェイコブくんは
後に天才的な物理数学者へと開花する。
医療的側面から、将来的にコミュニケーションをとることがむずかしいと
診断されつつも、最後まで自分の息子を信じつづけた母親の手記。

「自閉症」「物理数学者」というキーワードだけでなく
子供を持つ親としてもとても考えさせれ、
人が人と関わっていく中で生まれる可能性というものにも
深く深く考えさせられる、
すばらしい一冊でした。


2018年10月4日木曜日

リスのたんじょうび


『リスのたんじょうび』
トーン・テレヘン 著
野坂悦子 訳
植田真 画
装丁:中嶋香織

テレヘンさんの『リスのたんじょうび』ができた。

一つ前のブログに書いた通り、
ぼくは27歳の時にテレヘンさんの本に出会った。
それ以来、何度も読み返し「指針」となる特別な存在になっている。

どうぶつたちを主人公にしたテレヘンさんのお話は
一見、身体馴染みが良い。
しかし、なにかがひっかかる。
ひっかかりは自分の中のある部分とむすびついて
独特の深い味わいとなる。

ぼくが27歳の時に感じた感触は図らずも
18年経過して、このような形になった。
いや、もしかしたら、「指針」としてきたものが
長い道をたどってこの本にむすびついたのかもしれない。

あの頃のぼくには描けなかっただろう。

ぜひ、読んでもらいたい本です。