2021年10月22日金曜日

植田真 展「Une journée à la rivière」

 


<個展のおしらせ>

植田真 展
Une journée à la rivière

2021.10.30(土)~11/10(水)
11:00~18:00 最終日16時まで

神戸市中央区山本通2-4-24 リランズゲート地下1F
Tel.078-262-8058


川はいつも近くを流れていた/彼らは静かな流れのことを話していた/草の茂みがほのかに波打った/ずっと水の流れる音がしている/「よし、帰りは森をぬけていこう」/さっきからずっとそのことを考えているんだ/ちいさな男の子は川の流れにのっていくことにした/誰もいない、きもちのいい午後だった/「自分のことばっかしでさ、こっちの話なんか興味がないんだよ、きっと」/花びらが水面のきらめきのなかに消えていくのを見ていた/「ミヤマカラスアゲハはつかまえたことがあるよ。子供の頃だけど」/そのとき水面すれすれを風がわたっていった


僕の中には山があり、川が流れている。
絵を描いていると感じる。ただ、そう感じる。


2021年9月27日月曜日

Calendar 2022, “ Pour que la nuit soit propice ”


2022年は穏やかな一年になればいいなという願いも込めて、「あお」の絵柄で構成された2022年カレンダー “ Pour que la nuit soit propice ”(「夜が幸いであるために」)をつくりました。現在、絵本原画展を開催してくださっている静岡のNOHARA BOOKS と HiBARI BOOKS & COFFEE の各店舗で取り扱っていただいております。
また、東京では URESICA 、京都では nowaki でもお取り扱いいただける予定です。


<Shizuoka>
NOHARA BOOKS
静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1 tel.055-989-8785
http://www.noharabooks.jp

HiBARI BOOKS & COFFEE
静岡県静岡市葵区鷹匠3丁目5−15 第一 ふじのビル 1F tel.054-295-7330
https://hibari-books.com


<Tokyo>
URESICA 
東京都杉並区西荻北2-27-9 tel.03-5382-0599
http://www.uresica.com

<Kyoto>
nowaki
京都府京都市左京区新丸太町49−1 tel.075-285-1595
https://nowaki-kyoto.net









2021年9月21日火曜日

クレマチスの丘『りすとかえるとかぜのうた』原画展


現在、クレマチスの丘・NOHARA BOOKSにて『りすとかえるとかぜのうた』原画展が開催されております。原画展に合わせて、新聞『自然にまつわるいくつかのこと』を制作しました。前号『旅にまつわるいくつかのこと』に続いて、自然に関して僕が感じていることとともに『りすとかえるとかぜのうた』の世界を構築していった側面を楽しんでいただけたらと思い制作しました。こちらはNOHARA BOOKSにて配布されております。

そして、NOHARA BOOKS一角にアトリエを設置し、『りすとかえるとかぜのうた』制作時のラフや習作、木のちいさな作品、新聞『旅にまつわる〜』『自然にまつわる〜』で紹介したCDやレコードなど、制作現場のアトリエの雰囲気も楽しんていただけるような展示もございます。

また、クレマチスの丘、ヴァンジ彫刻庭園美術館・展示棟では、昨年の11月にクレマチスの丘で描いたライブペインティング作品が展示されております。こちらは、加筆をし現時点での完成としました。この展示棟でも絵本のための習作を展示しております。習作の時には描いていた夜の場面など含め、普段お見せすることのむずかしいものなど、『りすとかえるとかぜのうた』を中心に制作の一側面を楽しんでいただけますと嬉しいです。

>>>

『りすとかえるとかぜのうた』原画展
日 時:2021年9月11日(土) ─ 11月3日(水・祝)
時 間:10時〜17時(9月〜10月)/10時〜16時半(11月)
定休日:水曜日(11月3日は開館)
場 所:クレマチスの丘 NOHARA BOOKS
詳 細:https://www.clematis-no-oka.co.jp/event/nohara2021_uedamakoto.html

関連展示:ヴァンジ彫刻庭園美術館・展示棟にてクレマチスの丘で制作した
ライブペインティングと絵本のための習作を展示しております。
*別途ヴァンジ彫刻庭園美術館の入館料が必要です。

NOHARA BOOKSでは絵本のほか、グラスや二十四節気ポストカードセット、
2022年カレンダーなどのグッズも販売しております。

NOHARA BOOKS
静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1
Tel. 055-989-8787
www.clematis-no-oka.co.jp










HiBARI books & coffee 『ひばりに』原画展


現在、静岡市にあるHiBARI books & coffeeにて内田麟太郎さんとの絵本『ひばりに』(アリス館)の原画展が開催されております。HiBARI books & coffeeさんの一周年に合わせて『ひばりに』の原画展を開催してくださいました。
先日、わずかな時間でしたが訪れることができました。親しみやすい街の本屋さんでありながら、落ち着いた空間で、老若男女問わず誰もがゆっくりと本を選べる、そんな印象を受けました。このような本屋さんがあったら間違いなく、日々の中で本を手にする楽しみが増えるだろうなと思いました。今、虫に夢中な息子は、面出しされていた今森光彦さんの本を手にとって熱心にページをめくっていました。大人も子供も落ち着ける空間。僕が訪れた日は雨でしたが、雨もまた良く、わずかな時間でもここで過ごした時間はとてもいいものでした。
また、『ひばりに』原画と一緒に、小品数点の展示、絵本、グラスや二十四節気ポストカードセット、2022年カレンダーなどのグッズも販売しております。


『ひばりに』原画展
日 時:2021年9月10日(金)─10月3日(日)
時 間:11時〜20時
定休日:月曜日

HiBARI books & coffee
静岡県静岡市葵区鷹匠3-5-15第一ふじのビル1階
Tel.054-295-7330
Instagram > @hibari_books




装画『川のほとりで羽化するぼくら』


装画のお仕事。

『川のほとりで羽化するぼくら』
彩瀬まる/著
KADOKAWA

装丁・大久保明子


私たちはきっと、どこへだって行ける
息苦しい今を軽やかに超えてゆく一歩を描いた、希望の物語 (帯より)


彩瀬まるさんの川を舞台にした四篇の小説集。
川というモチーフを扱いつつもそれぞれ異なる背景が、読み進めていくうちに重なっていき、和音(コード)の響きのように共鳴していく。それは、どこかで聞いたことのある音ではなく、まるで新しいコードを発見したときのような、とても新鮮な感覚でした。一編一編の関係性も本当に素晴らしく、物語をさらに深く大きくしているようで、そういう部分も印象的でした。描かれているテーマにも共感するものが多く、仕事ということを忘れて、読むことを楽しみました。さらに、この世界観に触れながら絵を描くことができ、とても贅沢な時間でした。

引き込まれて集中して読んだ後に、その勢いのままに絵を描くというのはとても気持ちがいい。イーゼルにキャンバスを立て、この本に流れている「川」を自分のなかに感じつつ、ライブペイントの感覚でぐいぐいと描きました。

美しく、雰囲気ある装丁は大久保明子さん。ひさしぶりにご一緒させていただき、とても嬉しかったです。










2021年5月17日月曜日

新刊のおしらせ『チョコレートのおみやげ』


『チョコレートのおみやげ』
岡田淳/文
植田真/絵
BL出版

デザイン・中嶋香織



「時間がとけていくみたい」そう言って、おばさんが話してくれたのは、ひとりの男とニワトリのお話。
あまいチョコレートみたいに優しい、物語の結末は……。(本書そで文より)


岡田淳さんとの新刊『チョコレートのおみやげ』ができました。このお話は、現実のお話とそこで語られる空想のお話による二重の構造になっています。といって、複雑なお話というわけではなく、とても自然に2つの物語が絡み合って進んでいきます。

絵を描くにあたって、その自然な流れに身を任せながら、モノトーンの鉛筆画とカラーの水彩で描き分けました。ちなみに、カラーの水彩の絵は、カード状にカットした水彩紙をたくさん用意して、このお話を読みながら浮かんでくるイメージをカードに絵をつける感覚で描いていきました。とても楽しい制作時間でした。こういった、これまでとは違う特殊な作り方をしたのも、独特の空気感を持ったお話だと感じたからだと思います。

さて、この物語は、そもそも1999年にリブリオ出版から出版された「兵庫の童話」という本に収録されたものだそうです。「時間」がひとつのキーワードになっているお話の、20年越しの書籍化に、当時このお話を読んだ方にとっても、まさに「時間がとけていくみたい」な感覚を味わうことになるかもしれません。

中嶋香織さんのデザインもこの物語を内包するような、やさしく、かっこいいデザインで、出来上がった本を眺めながらしみじみと嬉しい気持ちになりました。
ぜひ、手に取っていただけたら嬉しいです。


使用しなかったカード絵のストック


2021年4月25日日曜日

『ひばりに』原画展のおしらせ

 



京都「小さな絵本美術館カフェ・響き館」にて
絵本『ひばりに』の原画展を開催しております。
もしお近くにお越しの際はご覧いただけますと幸いです。

新型コロナウイルス感染拡大が深刻な状況ですので十分にご注意ください。
とにかく、一日でも早く安心して出かけられる日が来ることを願います。

尚、本展示はご予約優先となっているようです。
マスク着用など感染拡大防止にご協力いただけますと幸いです。



『ひばりに』原画展
4月23日(金)~5月24日(月)

休館日/火曜~木曜、5月5日(水・祝)
※4月29日(木・祝)、5月4日(火・祝)は開館

開館時間/13時~18時(入館・ラストオーダー:17時まで)
入館料:650円(1ドリンク代 ※美味しいスイーツも追加でご用意)

その他、お店の情報や詳細はコチラ





 

2021年4月5日月曜日

「ROKKONOMAD」山のなかの壁画制作


この春、六甲山の上に新しくできたシェアオフィス・ROKKONOMADの壁面に絵を描きました。山の上で仕事ができるなんて海・街・山の距離感が近い神戸ならではだと思う。エリアにもよりますが、街から六甲山上まで車で20〜30分ほど。そのくらいの時間で木々に囲まれた山上のオフィスに着いてしまうというのもなかなか稀有な環境だ。僕も壁画制作中は数日通いましたが、通うストレスは感じなかった。ちなみに「六甲」駅からバスとケーブルカーを使い、ケーブルカー・六甲山上駅から徒歩でもアクセスできるので、車がなくても意外と簡単に「街の暮らし」と「山の上の木々に囲まれた仕事場」の両立が可能である。数年前に、神戸・北野にあるシェアオフィス・KITANOMADの壁面を描いたときよりも、今回は山という立地も相まって、画面も絵のストロークもより大きくした方が空間にはしっくりときた。午前から夕刻まで全身を使って描いてへろへろになった身体も帰りの木立の道やそこかしこから聞こえる鳥のさえずりなどに癒されて、とても充実した気持ちになるのだった。ここに仕事場を持つということは、きっと山上でしか味わうことのできない時間の流れと充足感に満ちているのだろうな。

山の中のシェアオフィス「ROKKONOMAD」。興味のある方はこちら。







2021年4月1日木曜日

原画展のおしらせ




 『りすのたんじょうび』(トーン・テレヘン/野坂悦子・訳/偕成社)『りすとかえるとかぜのうた』(BL出版)の2冊の本の原画展が京都「絵本屋きんだあらんど」で開催されます。「りす」つながりのこの2冊の原画が同時に見られるのは今回はじめてです。どうか楽しんいただけるとうれしいです。オリジナル作品の販売も少しですがございます。また、会期中の4月11日(日)にはライブペインティングを行います。こちらは屋外での開催になります。マスク着用など、新型コロナウイルス感染防止にはご協力ください。イベント予約方法などは下記にて。



『りすのたんじょうび』(偕成社)『りすとかえるとかぜのうた』(BL出版)原画展

◯日時:2021年4月4日(日)〜18日(日)10:00〜17:00 
月・火・木曜は施錠されている場合がありますが、
展示はご覧になれますので、2階スタッフにお声がけください。
◯場所:きんだあぎゃらりい(絵本屋きんだあらんど1階)
※作家在廊日などはツイッターにてご案内します。

ライブペインティング
◯日時:4月11日(日)14:00〜15:30
◯会場:本福寺境内  参加費:1,500円
【お申し込み方法】(要予約・先着20名)
件名を「植田真さんライブペインティング」とし、
お名前・電話番号を明記のうえ、
kinderland.event@gmail.comまで
メールにてお申し込みください。


〒606-8354
京都府京都市左京区頭町351
(地下鉄 三条京阪駅下車徒歩8分)
TEL/FAX 075-752-9275
MAIL kinderland.event@gmail.com




2021年3月31日水曜日

『Coyote』no.73 / Spring 2021



「Coyote」
no.73 / Spring 2021
Switch Publishing


イッセー尾形さんがご家族との旅のことを書かれたテキストに絵を描きました。イッセー尾形さん、文章もとてもいいですね。

旅といえば、この道の先になにがあるのか、あの角を曲がったらどんな景色が現れるのだろう?この「なにかいいものに出会えるかもしれない」という期待が僕にとって旅の出発点であるようだ。

昨年の春、コロナ禍によって息子の幼稚園も3月から6月まで4ヶ月間ほど休園になった。さすがにずっと家に閉じこもっているわけにもいかず、時折、気分転換と運動不足解消のために、息子と虫捕り網をもって人気(ひとけ)のない近所を歩いていた。
山側の住宅街は、人とすれ違うこともなく、いつもの路地がいつもと違うようで、僕たちはその静まり返った路地で蝶を追ったり、アゲハの幼虫を探したりしていた。やがて、住宅街のはずれから「見晴らし台」を辿り、そのままぐんぐんと山の中を登っていった。
鳥の鳴く声と葉っぱを踏む音。開けた場所からは町が見渡すことができた。ここは家から一番近いトレッキングルートだけれど、近いから逆にこれまで来たことがなく、だから当然すべてがはじめて歩く道だった。なんだかとても気分がよくて、「なにかいいものに出会えるかもしれない」期待感に満ちていた。あ、この感覚は旅だな。そして、子供の頃はよくこういう気分で山や川で遊んでいたなあと思った。
それから僕たちは山に通った。枝という枝から毛虫がぶーらんぶーらんしている毛虫祭り状態になる日まで。
あれから一年、まだ相変わらず油断できない状況だけれど、だんだんと暖かくなってきたし、太陽も明るくなってきた。蝶もちらほら飛んでいる。また、山に通う日々になりそうだ。




2021年2月12日金曜日

新刊絵本『ひばりに』

 


『ひばりに』
内田麟太郎/詩
うえだまこと/絵
アリス館

デザイン/大島依提亜


内田麟太郎さんとの新刊絵本のおしらせ。
デザインは、大島依提亜さん(はっと目をひきつつも主張しすぎない絶妙なタイトル文字も大島さん)。そこに流れる空気を止めることなく、開いたものにしてくれました。

内田さんが震災を受けて書かれた詩『ひばりに』。
心がゆらぎ、不安な気持ちのとなりにいてくれる、あたたかな視点。まるで、地面から芽を出す小さな種子を助ける風や土や水のように、そっと寄り添うものを感じました。

詩の絵本というのは、「ことば」との距離感がとても繊細だと思う。そのバランスを探るため、スケッチ画を繰り返し描いていた時にふと女の子が縄跳びをする絵が浮かんだ。小学生の頃以来していなかった縄飛びを子供と一緒にしてみたら、「飛び、跳ねる」ということは、こんなにも心も体も軽やかになるのだなというのを感じた。
生きていると思いもよらぬ様々なことが立ちはだかる。我々は、それをなんとか乗り越えていかなければいけないけれど、そうそういつもうまく行くわけではない。それでも、(状況はさほど変わらなくても)ふっと軽やかに縄を跳ぶ感覚を一瞬でも持つことができたら、それだけでも十分なような気がします。

新型コロナウイルスCOVID-19が未だ終息できていない2021年。東日本大震災からは10年が経つ。ほんのすこしでも軽やかに「飛び、跳ねる」ことができれば、この状況下でも別の局面を見つけることができるかもしれないな、と思うのです。







2021年1月21日木曜日

Pinpoint Gallery 「謎」展



Pinpoint Gallery の「謎」展に参加します。
僕が描いたのはシャーロック・ホームズ2つ目の長編『四つの署名』。暇をもてあましていたホームズの元にやってきた久しぶりの依頼。登場する人物たちも濃くて個性的。そこにワトソンの恋愛も絡んできて、長編4作品のなかでも独特の雰囲気を醸し出しています。怪奇的、そして謎めいた傑作です。
2021年の描き初めに楽しんで描きました。本年もよろしくお願いします。


『謎』
2021年2月1日(月)~2月13日(土)
open hours: 12時~19時 土曜日17時まで 日曜休み
※初日月曜のみ 14時~19時

参加作家などの詳細はこちら



2021年1月18日月曜日

Cake Stand クッキー缶

 


パッケージのお仕事。

Cake Stand のクッキー缶』

缶のイラストレーションとデザインをしました。
以前も、Cake Stand のラッピングペーパーを制作しましたが、今回のクッキー缶もラッピングペーパーで包まれたお菓子と並べた時にも合うような、でも、また新しい印象を与えるものをイメージして制作しました。カラーバリエーションにパープル × グレーを基調としたものもあります。

主役のクッキーの美味しさは言わずもがな、珈琲にも紅茶にも日本茶にも合いますし、ワインなどとも相性がよかったです。ちなみに缶箱は中身を食べ終わったあとも入れ物として重宝しますね。年数を経てすごく古びた缶箱はなかなか味があっていいものです。

オンラインでの販売は Cake StandInstagram でご確認ください。
近日中では1/19にオンライン販売があるそうですよ。







2021年1月17日日曜日

ネムノキをきらないで



装画・挿絵のお知らせ。

『ネムノキをきらないで』
岩瀬成子/作 植田真/絵
文研出版


おじいちゃんの家の庭にある立派なネムノキを、おとなたちは切り倒すといいだした。ぼくは反対したけれど、枝がのびすぎて、あぶないからといって、枝を切り落とすことになる。ぼくは、おとなたちにいいたいことをうまくことばにできない── (本書そで文より)

身近にある木々や虫や生き物たちの存在。ひとつひとつ見ていると、その向こうにはもっとたくさんの気配を感じる。木にとまる鳥。鳥がついばむ虫。鳥がさえずり、風がふいて葉と葉がふれあう。木の下で仕事の手を休め一息つく人。なにげない営みを切り取ってみても、人も動物も虫も木々もみんな繋がっている。

親密さと大きく包まれるようなやさしさを感じる岩瀬成子さんの新刊。
文章で描かれる少年の繊細な気持ちと少年を通して見える情景が印象的でした。イメージが固定される絵ではなく、文章と絵が気持ちのよいハーモニーを奏でてくれたらいいなという想いで、全体に小さな絵たち、ピースがちらばるように描き、最後に合わさって読後感として残るように意識しました。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたい本です。


僕の母の実家には柿の木があった。こどもの頃、その柿の実が美味しくて、秋がくるのを毎年たのしみにしていた。この本の絵を描いていたらそんなことを思い出した。そしたら、「今年は柿がたくさんなったよ」と、叔父(母の兄)から柿が届いた。ずいぶん久しぶりに食べたけれど、普段食べている柿の味ともまたちがう、こどもの頃食べたあの柿の味がした。それは、こどもの頃のことをあれこれと思い出す味だった。お祭りのことや、母の実家に一人で泊まったことや、従兄弟たちと駆けまわったことや、年の瀬に庭でお餅をついていた親の姿などを。そう、一本の木にも、いろいろなものが繋がっている。