うまく描けなくなっていた。
だから、ここ3日間くらいずっと悶々としていた。
何枚も失敗。
何枚もパネルに水張り。
その他のタッチで試したり。
でも、「いや、あのタッチだろう」と頭のどこかで鐘が鳴る。
もう腹をくくって、うまく描けても描けなくても
決めた方を向いて手を動かした。
ちっとも楽しくなくて、良いものが描ける気もしなくて、
とても義務的で、嫌々な気分。
カット程度の小さい絵に朝から夕方までかかっても
仕上げられないほど筆が重い。
だが、何かの拍子に「ぽんっ」と勘を取り戻した。
どん底から一気に上がった。
否定が肯定になった。
絵を描くってふしぎ。