2013年6月19日水曜日

気配を描く 絵と音の即興


台風3号が日本列島に接近し、てっきり雨が降るだろうと思っていた
六月十二日の水曜日、蓋を開けてみれば夏のようにギラギラした太陽と
熱を帯びた風が吹いていた。

神戸芸術工科大学、マザーツリーの見守る中、
同大学の教授であり画家の寺門孝之さんと、
チョイス大賞当時から付き合いのある編集者の吉田宏子さんとトーク。
絵のことを中心に、さかのぼれば高校の頃のボート部のことから
はじめてのデッサン、学生時代、音楽、映画、現在に至るまでの様々な話。

そして、単独では初となるライブペインティングは、
絵を描きながら、同時にギターの音を少しずつ重ねていき、単音から和音へ。
そこへ、まだ知り合って間もない神戸芸工大の2人の学生、
大道一輝くん(ベース)と長松朋美さん(ドラム)にも、手作りパーカッションや
鈴の音、ベースやドラムスで参加してもらい、即興で音楽を構築して行く。
絵が仕上がる頃、交差していた音達が合流し、バンドサウンドへ。

自分の鳴らす音、相手の鳴らす音、太陽、影、風、葉の音、
巨大なレコードジャケットのような1800×1800mmの画面を擦る音、
垂れ流れていく絵の具、そういう様々なものが交ざり合った約1時間半。

1800×1800mmというサイズはこれまで描いた絵の中で一番大きい。
でも、不思議といつもと変わらぬ感覚で描いていた。
描き終わった後も、もっと大きなものも描ける気がした。

外で楽器を鳴らしながら緊張感から徐々に開放感へ、
バラバラと混在していたものが、同居し一つの空気を作り出す
なんともいえない気持ちの良さ。
なるほど、ライブペインティングとはこういう感覚か。

きっと今回はもの凄くめぐまれたシチュエーションなんだと思う。
とにかく気持ち良くて楽しかった。
いろんなシチュエーションのライブペインティングがあって
そこにはまた違った面白さや発見があるのだろう。
これは是非とも近いうちにまたやりたい。


寺門さん、吉田さん、
サポートしてくださった神戸芸術工科大学の方々、
そして、見に来てくれて最後まで見守ってくれたみなさま、
本当にどうもありがとうございました。

また是非!