2015年11月8日日曜日

装画の仕事:書店主フィクリーのものがたり


装画の仕事。

『書店主フィクリーのものがたり』早川書房
ガブリエル・ゼヴィン/著 小尾芙佐/訳 
装幀/早川書房デザイン室

島に一軒だけある書店に、
ある日、幼い女の子が
捨てられていた。
そして彼女を育て始めた

偏屈な店主は、
人を愛する心を知っていく
(帯より)


タイトルの通り、島の書店主、そして一軒の書店を中心に起こる物語。
読みはじめたら一気に読んでしまった。

各章の前に、書店主フィクリーによる『リッツくらい大きなダイアモンド』や
『バナナフィッシュ日和』など、実在の短編についてのコメントがある。
読み進めるうちに、このコメントの意味するところがわかってくるのだが、
やはり読んだことのある短編が出てく ると面白さが増す。

読後、本屋に行ってじっくり本を選びたくなった。
ぜひ!





2015年9月16日水曜日

個展「そして、水辺」と「旅の断片譜」


個展のお知らせ。
「旅3部作」として展開してきた2015年最後の個展。
今回は、ピンポイントギャラリーとシーモアグラスの2カ所同時開催。

シーモアグラスでの個展はなんと11年ぶり。
この場所で僕は、2000年から2004年まで計6回の個展を開催している。
まだまだイラストレーターとして活動しはじめた頃で、
当時勤めていたデザイン会社を辞めて独立後、最初に個展を開催した場所でもある。

その後、イラストの仕事や個展を繰り返すうちに作品について模索し、
制作スタイルも様々に変化してきた。
ここ1〜2年、そういう作品への考え方が、
自分の中の原点のような所に戻ってきているような感じがする。
もちろん仕上がる作品そのものは違うけれど、
なんとなく一巡したな、とこの頃思う。
なので、再びこの小さな喫茶店で個展をしようという思いに至った。

同じくピンポイントギャラリーも、
昔から現在に至るまで展覧会で大変お世話になっている。
この2カ所で2015年の締めくくりの展示ができるのはとても嬉しい。


さて、どちらも10/5が初日。
オープニングの日が被ってしまう為、シーモアグラス『旅の断片譜』は
10/2の18:00〜21:30のみプレオープンする。
このプレオープンは、「ミックステープ・シーモア」と名付けて
僕が音楽をセレクトし、飲んだり食べたりおしゃべりしたりと
ゆったり楽しんでもらう時間にできたらと思っている。
予約など必要なくどなたでも参加できますが、
シーモアグラスはカフェなので、要オーダー。
そして、なんと、旅をイメージしたフードをunpeu 遠藤順子さんが用意してくれる。
いつか何かでご一緒できたらいいなと思っていたのでとても楽しみ。
あとはとにかく小さなお店なので、席に限りがあったりと
その辺諸々ご了承ください。

ピンポイントギャラリー『そして、水辺』のオープニング(10/5)は、
18:00から「即興ギター+ライブペイント」。
こちらは予約制(予約詳細は下記に)。
「即興ギター+ライブペイント」は、過去に神戸・京都・松本で
開催してきたが、東京でははじめて。
どんなギターが鳴ってどんな絵になるのか、とにかくそこはライブ。
そこを楽しんでもらえたら幸いです。

ピンポイントギャラリーもシーモアグラスも
それぞれ違ったタイプの作品展示となるので
両展示ともお楽しみいただければと思います。




『旅の断片譜』
2015.10.5 mon〜30 fri
平日12:00〜18:00/日祝14:00〜18:00/土曜休み

【プレオープン「ミックステープ・シーモア」】
10/2 (fri) 18:00〜21:30頃まで
要オーダー。
※4日(日)はお休みとなります。ご注意ください。

see more glass
東京都渋谷区神宮前6-27-8 京セラ原宿ビルB1F
03-5469-9469



『そして、水辺』
2015.10.5 mon 〜17 sat
11:00〜19:00/土曜17:00まで/日曜休み

【即興ギター+ライブペイント】
10/5(月)18:00〜19:00/¥1,000/要予約(定員30名)
9/29(火)11:00より電話もしくはメールにて予約受付。
電話:03-3409-8268(予約専用)/メール art@pinpointgallery.com
※イベント当日18時以降はライブペイントをご予約されていない方の
ご入場はできませんのでご了承ください。

Pinpoint Gallery
東京都港区南青山5-10-1双葉ビルB1F
03-3409-8268



2015年9月10日木曜日

ペットショップにいくまえに 2015


トムズボックスでの『セロ弾きのゴーシュ』原画展は
無事に終了しました。
ご覧いただきまして、ありがとうございます。

さて、5月の個展でお世話になった京都nowakiにて
「ペットショップにいくまえに2015」がはじまります。
(「ペットショップにいくまえに」とは→コチラ


今回は「オブジェ」での出展とのことだったので
木箱の中に動物たちを。
タイトルは「nuestra casa(ぼくたちの家)」。
楽しんでいただけるとうれしいです。


以下、DMより。
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『ペットショップにいくまえに2015』

9月11日(金)〜21日(月・祝)
※16日(水)のみ休み open 11時ー19時
会場:nowaki(京都・三条)

【出展作家】
網代幸介・植田楽・植田真・ookamigocco・大畑いくの
k-a-j-i-・軽部武宏・きくちちき・すがゆう・スズキコージ
どいかや・とりごえまり・中野真典・nakaban
ハヤシミワコ・ひろせべに・町田尚子・ミロコマチコ


ペットを迎え入れるには、ペットショップ以外の手段も
あるということを知っていただくことを主旨に、賛同い
ただいた作家さんたちと毎年違った趣向で「どうぶつ」
をテーマにグループ展を企画しております。nowakiの
展示は、今年は「object」立体というお題で出展いただ
きます。
素材は、布・紙・木・プラスチック・金属など様々。
また壁面には、どいかやさんの新刊絵本『ぼくたちねこ
なの ゆかいな8ぴき』(アリス館)の原画を展示させて
いただきます。
私たち、人間にとって、身近で、愛らしいパートナー、
動物たちに、どうぞご注目ください。

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 蓋を閉じた状態。

 スポットを当てた状態。
 ※灯りがつくわけではありません。




2015年9月4日金曜日

『セロ弾きのゴーシュ』原画展 トムズボックス



9月に入った途端、秋の長雨。
少し日が出たなと喜ぶもつかの間、
そとは再びしずかに雨に濡れている。
そんなここ数日だった。
今日は久しぶりの晴れ。
秋の風がそとを乾かしている。


さて、
お知らせが遅くなってしまいましたが、
本日9月4日より吉祥寺はトムズボックス+Galleryで
『セロ弾きのゴーシュ』(あすなろ書房)原画展がはじま ります。

セロ弾きのゴーシュは、今年の1月、そう、冬にできた。
ひさしぶりに手にとってみる。
冬もいいけど、秋に入っていく今頃がより似合っている。

この作品は、文章のリズムを大事にしたいと思った。
加えて、イマジネーションが広がるような本になったらいいと意識した。
挿絵はモノトーンで描き、読みながら頭の中で動き回るものたちを
スケッチしていくような感覚で描いていった。
ぜひご覧いただけるとうれしいです。
サイン本も数冊置きます。


さて、先日突然届いたトムズボックス閉店の知らせ。
僕が感じたのは、閉店する寂しさと同時に、
まるで大事にしている価値観がパタンと閉じてしまうような、
そんな危機感のようでもあった。
もちろん、変わらず在り続けるというのはできないのかもしれない。
でも、トムズボックスは絵本専門店として、とても重要な存在だから
そんな気持ちになってしまった。

しかし、僕たちは常に時間の流れの中にいる。
流れの中では、いろんなものたちがぐるぐる大なり小なりのサイクルを続け、
変化し続けている。
だから、終わりははじまりでもある。

トムズで個展をやらせてもらうことが出来てとても嬉しかった。
この度『セロ弾きのゴーシュ』の原画を展示させてもらうことも。


>>>

『セロ弾きのゴーシュ』(あすなろ書房)原画展
9月4日(金)〜9日(水)
トムズボックス
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7
TEL/FAX 0422-23-0868


2015年8月14日金曜日

MASK PARADE いざ、山鹿へ

今週末、昨年にひきつづき、熊本県山鹿市での仮面行列に参加します。

実は、この仮面行列、今年でファイナルとのことです。
本来なら、リレー形式でバトンが渡され毎年参加する絵本作家が交代していくのですが、今年は最後とのこともあって、昨年、僕がスズキコージさんから渡されたバトンは、一番最初のささめやゆきさんに戻される形となります。

このような面白いイベントが終わってしまうのは何とも残念ですが、
今年は、ささめやさんと僕以外に、これまで参加した歴代の絵本作家さんの中から、
あべ弘士さん、飯野和好さん、長谷川義史さん、長野ヒデ子さん、がご参加とのこと。
すごい顔ぶれですね。

15日は、前夜祭イベントがあり、16日は仮面行列と灯籠祭り。
暑い盛りでしょうが、楽しんでいきましょう。
お近くの方ぜひぜひご参加ください。


詳細などは下記にて
http://www.jpic.or.jp/event/search/2015/07/26112453.html


2015年8月6日木曜日

Kinebus 旅号


タダジュンさん、さかたきよこさん、たんじあきこさん、吉田晃さん。
以上4人のイラストレーターが発行している “ キネバス ” 。
キネバスは毎号テーマに沿っておすすめの映画を紹介する新聞だ。

メンバーが交代でその号のテーマを決め、表紙のビジュアルを制作する。
毎号、素敵なビジュアルと映画紹介で、いつも発行を楽しみにしている。

そんなキネバスに、ゲストとしてお招きを受けた。
創刊時から楽しく読んでいるものとして、とてもとても光栄である。
表紙と記事、そして両面デザインを担当した。

テーマは “ 旅 ” とした。
2015年の個展で扱っているテーマでもある。

「旅」

映画の中で旅といっても様々な捉え方があるだろう。
必ずしもロードムービーとは限らない。

「旅」として僕が紹介した映画は、
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
監督はジム・ジャームッシュ。

この映画のなにを「旅」と捉えたかというのは
キネバスを手に取って読んでいただけたらと思う。

学生の頃からずっと影響を受けて来た映画だけに
一度は絵に描いてみたいと思っていた。

何年も何度もこの映画を観てきたから、
自分の身体の中でグルグル撹拌され熟成している。
だからか、モノクロームの映画だけど、
絵にした結果、わずかに色彩がでてきた。


タダさん、さかたさん、たんじさん、吉田さんの紹介する映画も記事も
とても面白いので、ぜひお手に取っていただければと思います。
読み終わった後はポスターとしてもお楽しみください。

取り扱い店舗などの詳細は下記にて。

2015年6月17日水曜日

窓の向こうのガーシュウィン 文庫版


宮下奈都さんの『窓の向こうのガーシュウィン』が文庫になり、
文庫版カバーを描き下ろした。

この文庫版にも、「小説すばる」連載時の各回の扉絵が封入されている。
そして、今回僭越ながら巻末の解説を書かせていただくことになった。

この作品は、2011年1月に連載が開始された。
連載第一回目の原稿を読んだ時、音が聞こえ、匂いが広がって
物語の中にグイと引き込まれたのを覚えている。
そしてそれらは物語の進行とともに、様々な表情をみせながら、
はっきりとした輪郭となって現れてくる。

連載時、扉絵を描く時に、その回ごとに上記のような、
つまりは気配のようなものを僕なりに掬いとって絵にしていった。
その扉絵を通して、今回『窓の向こうのガーシュウィン』の
「解説」として書かせていただいた。

ただし、これはあくまで僕の視点である。つまり、一つの側面。
それだけでは表現できない。
それほど、奥行きがあって、愛らしい作品である。

そして、今回も単行本に引き続き、名久井直子さんの素敵な装幀。
ぜひ、手に取って読んでいただきたい
本当におすすめの作品。